<<目次創立30周年記念誌 2005 
 (社)長野建築士事務所協会 14支部の活動
支部の歴史を振り返って
飯水支部

  飯水支部は発起人 仲條平三 氏と初代支部長の佐藤公則 氏が先導され、多くの方々のお力添えで設立された。創立時のご苦労を察しますと、ここに改めて先達者に深い感謝の念を表すところであります。
  発起人 仲條平三 氏は飯水地域の中で最初に1級建築士を取得された方で、長く建築士会の要職を歴任され飯水地域の建築会全体を導いてくれました。初代佐藤公則支部会長は支部の設立に御尽力くだされ、 支部長として第1期から第8期まで在任16年の長い間、支部を御指導され、支部の発展に尽くされました。
  2代仲條楯一支部長は第9期から第13期まで10年間在任されて、日本社会、経済の変化の激しい大変難しい時期に、支部を纏めてこられた。私は前支部長の後を継いで今年で3年目になる。年々会員が減少し、創立時の半数になり、団体に所属する意義を問われている現状に苦慮している。
飯水支部の構成員の割合を見ると、創立時から今まで約専業1兼業9の割合で構成されて来ている。設計監理業を生業とするには難しい後進地でもある。協会は登録建築士事務所を対象にした事業者団体と位置づけをしているが、会員同士の中にも専業と兼業が有り、立場の違いがある。ルール作りやモラル作りも必要である。
  例えば、公共工事に於いて、「第三者の立場での管理業務の重要さ」を認められ、設計 ・ 施工の分離が行われている中で、建設会社に所属する建築士事務所を個人の名を冠して別の組織を装って両方の業務を受注している業者がいる。これは、従来から叫ばれているように、 建設会社に所属している建築士事務所は必ず建設会社を冠した何々建設会社建築士設計事務所と命名すべきである。そうしなければ発注者の選択を誤らせる。業者の猛省を促したい。

    業界の念願であった業務法制定の努力も空しく、法制化されないまま、高度成長、バブルの崩壊、不況、農産物の自由化、グローバルな経済による地方経済の衰退等、我々を取巻く経済環境は激変してきている。併せて、既存の団体に属さない人々や既存の秩序を破壊しようとする人が脚光を浴びる時世に、団体への求心力が非常に弱くなってきている。
  現在(2月末)の統計を見ると、登録された建築士事務所の(社)建築士事務所協会への全国平均加入率は12.3%(長野海は加入率21.2%)で非常に少ない。1割台の加入率では業界の代表意見として行政や一般消費者にアピールするには説得力がない。
  上部団体の連合会、本会が「業務団体への強制加入法制化」や「会員で泣ければ出来ない業務の推進」等による、会員と団体とを繋ぎとめる施策を求められている。
  個々の建築設計伊事務所にとっても積極的に団体の事業に参加し、資質の向上に努めるのみならず、立ち行かなくなった地域経済の中で、地域の特性を利した地元の企業家を育て、市場を耕していく努力も必要であろうと思う。
  最近の歩みとして飯水支部では、2前に遅まきながら支部の委員会が組織された。又同年に地元の関連する業者との交流を深めるために、会員総出で賛助会員を勧誘し、賛助会を発足することもできた。
  賛助会を通じてい業種間の情報交流を計り、交流を深めることにより、新しい考え方、発送が生じ、地域にあった建築生産ができると確信している。これからも、より多くの交流の場を設けていきたいと考えております。
  今後も微力ながら、会員皆様方の御支援と御協力のもとに、地元社会の発展に努めて参りたいと存じます。


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